第41号

WS通信5月号

 

数年前、大手電機メーカーに勤務するA君が日雇い派遣の登録にきました。

たまたま私が面接を担当することになりましたが、彼によると会社業績が低迷して収入がダウンしたので、それを補うために休日を利用してダブルワークをしようというものです。

地方から出てきて、独身寮で生活しているA君は、初々しく好印象の若者でした。

A君が働く工場は堺市にありますが、同じ製品を作る同社の工場は奈良県にもあって、創業からまもない頃、私の同級生O君の尽力で仕事をさせてもらったことがありました。

A君の面接が終わったあと、同社を定年退職していたO君とはご無沙汰していたので、なつかしさから電話を入れてみることにしました。

O君もその会社の現状を憂えていましたが、後輩のダブルワークについて、「兼業は禁止されているが、この状況では黙認せざるをえないだろう。」と嘆いていました。

思ったとおり、A君の仕事ぶりはまじめで、今日に至るまで頼りになる存在となっています。

私は彼の会社の業績が回復して、もはやダブルワークの必要がなくなることを願ってきましたが、どうやら現実は逆の方向に向かっているようです。

先日、A君に転職についての提案をし、よく考えてくれるよう話しました。

一方で、1部上場企業F社の人事部幹部と面談し、A君のような地方出身者の受け入れを打診してみました。基本的には個別に対応するが、関東地方ではいますぐにでも人材がほしいとのことで、再就職の可能性は十分にあるとの感触を得ました。

ここにきて、新聞報道などによると、その会社の状況はかなり厳しいとのことで、従業員の削減などA君の身にも影響を及ぼしそうな施策が打ち出されようとしています。

幸か不幸か堺市にあるF社の工場で欠員が出たので、A君に紹介してみたいと思っています。

将来がある25歳ほどの若者の人生を、夢のあるものにするために、残るか去るかの決断を彼に委ねなければなりません。

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